温泉119

其の1 のぼせ
症状
熱めの湯に入っていると心臓がドキドキとし、顔がほてりや不快感を覚えたり頭がボーっとすることがあります。
症状がひどくなると、気分が悪くなり、立つ事が出来ずしゃがみこんだり寝そべってしまいます。
さらに顔面が蒼白となり、悪寒を感じる場合もあります。
脱衣所や浴場で具合を悪くし、しゃがみこんだり寝そべったりしている人はのぼせではないかと疑ってみましょう。

原因
熱い湯に長く浸かっていると体温が上昇します。
体温を一定に保とうとする機能が体に働き、熱を発散させるため発汗が生じ、血液循環は活発に行われるようになります。
そのことで心臓がドキドキし、心拍数・血圧が上昇します。
温まった多量の血液が脳内を駆け巡ることで、頭に血が上り、ボーっとなります。
その結果、脳の血液循環に異常となり頭に血が上った状態、つまりのぼせを生じさせるのです。
のぼせで不快感を覚え浴槽から急激に出ると脳貧血状態がおこります。
そうなると目の前が暗くなったり、めまいを感じしゃがみこんだり気分を悪くし立っていられなくなります。
入浴中は普通でも、浴後冷たい水を一気に摂取すると、内臓が急激に冷え血圧の急変でのぼせを生じる場合もあります。

メカニズム
のぼせにならないためには高温の湯に長時間入らないこと。
せっかく温泉に来たからと、がんばって入りすぎてしまう人もいるようですが、それが一番良くありません。
のぼせの防止は、やはりかぶり湯。
入浴前に頭からお湯をかぶる事をかぶり湯といい、十数回程度湯をかければいいと言われています。
草津温泉は高温湯に入り症状を改善する入浴を売りにしています。
湯揉みをし湯の温度を下げてから、かぶり湯をたっぷりしてから入浴します。
準備体操をかね、体を湯に慣らすことでのぼせを防いでいるのです。
かぶり湯することで、脳の血管を拡張させ、脳への大量の血液流入を効率的に処理し血圧上昇を弱めることが出来るのです。
鳥取県の岩井温泉は、江戸時代から伝わるゆかむりと言う入浴方法があります。
湯船で頭に手拭いを乗せ、「湯かむり唄」を歌いながら柄杓で湯を頭にかけながら入るのです。
テレビの入浴シーンで目にする頭に濡れタオルを乗せると言う行動は、湯かむりの効果と似ています。
濡れタオルが頭を直接冷却する事に加え、タオルの水分が蒸発するときに生じる気化熱が頭から熱を奪ってくれるのです。
冷水や濡れタオルで目の周りや額を冷やすのも脳を冷却には最適なポイントです。
頭にタオルを乗せるのが良いからと言っても、間違っても乾いたタオルを乗せてはいけません。
保温効果で頭が温められ逆効果になるからです。
体調不良時や高齢者、自律神経が不調な人はのぼせを起こしやすいため、41℃以下のお湯で10以内の入浴がお勧めです。
湯船で異変を感じたら、なるべく速やかに、かつゆっくりした動作で湯から上がるようにしましょう。
急激な動作は急激な血圧変化を生み、状況をさらに悪化させる場合があるからです。
のどの渇きを感じたら冷水を急激に飲むのではなく、なるべく温めの飲み物をゆっくりと飲むようにしてください。
浴室での急激な行動はのぼせのみならず体に良い影響を与えません。

レスキュー
もしのぼせたり、のぼせた人を見かけたら・・・
のぼせは病気ではなく、一時的なものなので、安静にしていればそのうち治ります。
が、なるべく早く安全に回復する方法(介抱)を覚えておいても損はないでしょう。
浴室で気分が悪くなったら、湯船からゆっくり上がり、しゃがんだり横になりましょう。
なるべく安全な所で安静にするのが一番です。
頭と足を濡れタオル等で冷やします。洗面器に水を張り足を入れるのも良いでしょう。
体熱の放出と頭部の血液循環異常の改善がその目的です。
冷やすならと、冷水に入ったり、冷たいシャワーを浴びると急激に血圧が上昇し、かえって危険な状態になります。
ですから、体へはぬるま湯をかけ、ある程度体温を下げながら湯冷めを防止するようにしてください。
ひどいのぼせでは顔面が蒼白になり、悪寒を感じ震えを伴う場合があります。
悪寒は、体温の急激な上昇がもとで感じるもので、気温や体表温の低下によって起こるわけではありません。
悪寒を感じるからと過度に体を温める事は放熱を妨げることになり、回復が遅れたり脱水症状を起こしたりします。
脱衣所で具合が悪くなった場合は、体に付いた水気をふき取り、水で絞ったタオルで頭と足を冷やします。
乾いたタオルやタオルケット、毛布等で体を覆い湯冷めを防止することを忘れずに。
そのようにし、しばらく安静にしていれば、血圧が正常化され、脳内の血液循環も改善され徐々に体調が回復してきます。
脱水症状を起こしている場合も考えられるので、刺激の少ない飲み物をゆっくりと飲ませることも大切です。
脱水状態で無いにしても、人は物を口にする事で落ち着きを感じることが出来るのです。
正しい対処法を理解し、あわてず落ち着いた対応をしてください。

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