自転車の組立

今回はキャノンデールの「CHASE」を組上げました。他のバイクもフレーム素材やスペックなどによっては若干の変更もありますのが、大体同様の手順で組んでいきます。

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 運送便で入荷しました。大体こんな感じでダンボール箱に入っています。

箱から出したところ。傷などがつかないように丁寧に梱包されています。

特にキャノンデールは手間がかかっています。

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これに、ハンドル、ホイール、ブレーキ等を付けて終了・・・。

ではないです。

とりあえずそれでも充分乗車はできますけど。

 梱包を解いて作業しやすいようにメンテナンススタンドに固定します。

ここで各部のキズ、へこみ等をチェックします。

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ヘッドパーツのチェック。矢印のところに隙間が開いています。

ヘッドチューブの面が出ていない証拠です。このままではスムーズなハンドリングは期待できません。 

ヘッドパーツを外したところ。

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 面出しのためにフェイスカッターで慎重に削っていきます。

同様に反対側もします。

きれいに削れました。これでヘッドチューブの上面と下面の平行が出ています。

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 ヘッドパーツがきっちり収まるように内側のバリを取ります。

ヘッドパーツの再圧入。ヘッドパーツのロゴの向きも確認します。

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これで、ヘッドパーツ内のベアリングに均等に加重がかかります。

 きれいに隙間無くヘッドパーツが収まっています。

 

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 ベアリングリテーナーにはグリスが塗ってありますが一旦脱脂洗浄します。

きれいになりました。

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 水に強く樹脂やゴム等のシールに影響の無い耐久性のあるグリスをたっぷり塗ります。

次にハンドルステムです。写真は裏側です。あまり重要視されていないかもしれませんがステムも面が出ていないことが多々あります。

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ステムの面もフェイスカッターで整え平行を出します。当店では専用治具をつくりました。 

きれいに面がととのいました。

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 ヘッドチューブ、ステムの面がすべて平行が出てやっと組み付けです。これで、スムーズでガタの無いステアリングが可能になります。

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 ハンドルバーの組み付けです。各ボルトに均等に力をかけていきステムの隙間を均等にしていきます。

特に、強い締め付けが必要で頻繁に調整のために着脱するボルトにはスレッドコンパウンド(焼きつき防止グリス)を塗ります。

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 次にボトムブラケットを装着しているハンガー周りのフェイシングです。

特にハンガー部は溶接による熱のひずみや塗装の膜で平行が出ていません。

まずはタップでねじ山をさらいます。

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 次にフェイスカッターで慎重に面を出していきます。

きれいになりました。ヘッドチューブと同様にバリを取ります。

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 BBを装着したところ。隙間無くぴっちりおさまっています。

最近のBBはカートリッジ式でベアリングの玉あたり調整が不必要になりましたが、クランクやBB軸の剛性が飛躍的に向上しています。そこできちっとBBを装着しないときしみやBBのゆるみによるガタが発生してきます。フェイシングをすることによってBBを点から面で支持しますのでトラブルを大幅に解消できます。

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 シートポストの差し込み口です。ポストの上げ下げがスムーズに行かないときは溶接の熱で内側にひずんでいます。

スムースなシートポストの上げ下げのためにリーマーで内側をさらいます。

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 リアのディスク台座です。ディスクブレーキの性能を発揮する為に面出しです。

ディスクオプティマイザーでフェイシングします。

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 フロントフォークも同様にディスク台座のフェイシングです。

途中まで削ったところ。写真でも分かりますが台座が平行でないため半分しか削れていません。当店では今まで作業したほとんどがこんなかんじでした。

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 きれいに平行になりました。上下の台座のオフセットも均等に削りました。

削った厚み分のスペーサーを上下同じだけ入れます。

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 今回はポストマウントタイプのブレーキなのでアダプターを装着。ぴっちり付きました。

ブレーキキャリパーを仮止めします。

休憩

ここにくるまで、だいぶん削りましたが別にメーカーのフレーム精度が悪いと言っているわけでなく、ここはショップの領分として当然のことだと思って作業しております。

それをしないのが手抜きとか当たり前とか色々考えることがありますが、それを選ぶのはお客様次第です。

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続きましてホイールの調整です。

まず、タイヤ・チューブを外して振れ取り台にセットします。

ニップルレンチで縦・横の振れを取っていきます。

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テンションメーターでスポークテンションの確認をします。

ディスクローターを力のかかる方向を考えながら締めなおします。

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タイヤ・チューブを装着して完成。この時にハブ軸の回転の調整もします。同様に後輪もします。

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フレームにホイールを装着してディレーラーハンガーの平行をチェックします。ここが歪んでいると正確な変速ができません。

ブレーキ&シフターのワイヤーケーブルの装着です。

軽いタッチで正確に作動するようにインナーワイヤーに注油します。

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サスペンションの作動やハンドリングに影響が出ないように取り回しを考えます。写真はフロントサスペンションにダブルヘッドタイを使っています。

ケーブルの取り回しと同様に長さも考えます。適切な長さでカットします。

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チェーンの長さも重要です。長すぎるチェーンは脱落や巻き込み等トラブルのもとです。

チェーンカッターを使って適切な長さにカットしてつなぎなおします。

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適度にテンションのかかった状態です。

リアディレーラーの調整です。

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完成もあとわずかです。後はサドルの角度などを決めて全体のバランスを見ていきます。

組み立て時に付いた油などをきれいに拭いて完成です。

フロントディレーラーの調整。

フロントディレーラーは取り付けの高さ角度等も重要な調整です。

完成!!

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格好よく仕上がりました!!

ペダルは販売時に付けます。

ここまで手間暇かけてやっと1台完成します。

丸1日かかりました。手をかけなければ30分でできますが全くの別物です。

1度当店に見に来て下さい。きっとその良さが分かっていただけますよ。