阿弥陀寺の美術品

 

近世の美術工芸品

吉原忠雄著
 阿間河滝町阿弥陀寺には室町末期頃の珍しい形式の阿弥陀三尊像がある。
 法然・善導坐像は寄木造、玉眼嵌入、彩色仕上げ、差し首の構造である。像高は善導29cm、法然27cm。善導像の台座および本体像底部に次の墨書がある。
法然上人坐像 善導大師坐像

 (台座内墨書)宝永七歳/信蓮社単譽代
 (像底部書)教譽代/両大師施主/太郎兵ヱ/四郎兵ヱ/四郎左ヱ門/与右ヱ門/幸助/右ヱ門太夫/喜三兵ヱ/久三郎/文化三寅極月

 これは両大師像の彩色・保存状態などから、宝永7(1710)年の作で、文化3(1806)年に彩色を新しくしたり、部分的な修理を行ったと理解できる。仏具の鐘子にも銘があり、それによると宝暦3(1763)年、載譽の時に製作されたものである。
 (「岸和田市史」第3巻より)


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