その人(相田みつをの詩より) |
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相田みつを「にんげんだもの」文化出版局より | ||
その人の前にでると 絶対にうそが言えない そういう人をもつといい その人の顔を見ていると 絶対にごまかしが言えない そういう人を持つといい その人の眼を見ていると 心にもないお世辞や 世間的なお愛想は言えなくなる そういう人を持つといい その人の眼には どんな巧妙なカラクリも通じない その人の眼に通じるものは ただほんとうのことだけ そういう人を持つがいい その人といるだけで 身も心も洗われる そういう人を持つがいい 人間にはあまりにも うそやごまかしが多いから 一生に一人は ごまかしのきかぬ人を持つがいい 一生に一人でいい そういう人をもつといい |
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