母(丹羽サカヱ)の手紙 |
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一九七一年も誠に新春らしく好天気にめぐまれて一同楽しいお正月を迎えて居ます 昨年は次々大勢出掛け大変御迷わくおかけして申しわけなく思ってゐます、又其のたび事になにかとお心にかけて頂き誠に有りがたく感謝致します又年末にわ多沢お小使い頂き有り難とう御座ゐました 永い間御無沙汰したので何にから書いてよいやら合って話す様に行きません 昨年のお盆から多忙の一口につきおかげで二キロ太りました 四七キロ(現在) おきも今年の六月子宝に恵まれ出産の予定です 一月を最後に正念寺も新しく変る様子です 今年八月に来関の時は貴男方の居なれた正念寺とはなくなります おなごりにお正月にお来寺と思ひましたが思ふ様にゆきませんお許し下さい 昨年十二月末日此の本が出ましたので一部私の記念又は先代の(カタミ)として送らせて頂きますおひまな時お目をとうして頂ければさいわいと存じます ご両親初め悦ちゃんに暮々もよろしくお傳え下さいませ 一九七一年一月二日 野口正晧様 丹羽さかえ |
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これは母から貰った生涯ただ一度だけの手紙です。敢えて原文のまま写しました。 |