東井義雄(とういよしお)先生のことば

 (野口次男編 東井義雄先生「人生の詩」より)
○太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない。
 太陽が昇るから夜が明けるのだ。
 われわれはとかく、環境や他の条件の責任にしやすい。

○水は低いところへ集まってくる。
 尊いもの 美しいもの 善なるものも みんな
 謙虚な人のところへ集まってきて
 その人のものとなる。

○亀は兎(うさぎ)になれない。
 しかしそのつもりになって努力すれば
 日本一の亀になれる。
 君は 君をりっぱにする
 世界でただ一人の責任者なんだね。

○どんなに つらくても
 さじを投げることだけはすまい。
 なにくそと自分に鞭(むち)をあてて がんばろう
 「朝のこない夜はない」

○ひとりのよろこびは みんなで大きくしてよろこび
 ひとりのかなしみは みんなでわけあって
 小さくして背負いあう生き方

○暁の光に遇(あ)うとすべての存在が
 青色青光 白色白光
 それぞれの光を放ちはじめる。

○大いなる光に遇うと
 光をもたない星までが
 光を放ちはじめる。

○「一」を粗末にしては
 「二」に進めない。
 「三」「四」「五」「六」「七」
 「八」まで進んでも まだ
 「九」(苦)をのりこえなければ
 「十」はつかめない。

○最高に不思議なもの
 いのち
 それが 今ここにある。

○ほんものと にせものとは
 見えないところのあり方で決まる。
 それだのに にせものに限って
 見えるところばかり気にし飾り
 ますますにせものになっていく。

○ほめてもらうことも
 礼をいってもらうこともあてにせず
 ただよろこんでもらうことを
 よろこびとして 生きる生き方。

東井義雄先生 略歴
明治45年4月9日 兵庫県出石郡但東町佐々木 浄土真宗本願寺派東光寺に生まれる
昭和7年3月 姫路師範学校卒業、爾来40年間、兵庫県下の小学校、中学校に勤務
昭和47年3月 兵庫県養父郡八鹿小学校長を退く
姫路女学院短期大学、兵庫教育大学(大学院)講師
平成3年4月18日  逝去
受 賞 ペスタロッチ賞 広島大学
平和文化賞 神戸新聞社
小砂丘忠義賞 日本作文の会
教育功労賞 文部省
教育功労賞 兵庫県教育委員会
著 書 東井義雄著作全集全10巻(明治図書)
子どもを活かす力(柏樹社)ほか 多数

 今から10年ほど前、門中寺院の方々と、先生が生涯を過ごされた東光寺を訪ね、本堂とお墓にお参りをしました。小さな本堂と質素なお墓でした。
 お参りの後、東光寺の檀家さんにお話をうかがいました。
 先生はお若い時から随分とご苦労をされたそうです。経済的に恵まれず、東光寺の住職と教職の二足のわらじをはき、まわりの人々に気をつかい、ほっとする暇もなかったそうです。
 中でもつらかったのは、ご長男が朝の行事として生徒と走っている最中に急に倒れ、意識不明のまま病床に臥(ふ)していることでした。
 しかし先生は、ご自身の苦しみや悲しみに屈することなく、人生を全うし、日本中の人々に生きる喜びと幸せになるための生き方を、感動的に教えてくださいました。
 その一言一句の真実は、今も多くの人々の心を打ち続けています。(正)

 


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