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物忘れとは | |
覚え、一 度乱れるとしばしば忘れるという。物を記憶する時には気が中心となる。 気は形が無く働きのことをいう。気は精とか血の中に宿っている。 もし血や精が不足すると健忘の症が現れることになる。 心は血流を送る元で、脾は血流を調節し、腎は骨髄を主り、脳を滋養するという漢 方の考えがあります。現代医学的に考えても、心臓から脳へ酸素と栄養を運ぶ、そ の酸素と栄養を作るに は、脾・胃がバランスよく栄養を摂る必要があります。 また腎は栄養の再吸収に関与しています。 ‥‥……━★それから認知症(痴呆症)と単なる「年による物忘れ」の違いも知っておいて下さい。 認知症(痴呆症)の定義は「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れな くなった状態」ということで、「普通の生活が困難」という点が「物忘れ」とは違います。 もう少し詳しく述べると、「物忘れ」は病気ではなく、半年や1年では進むことがなく、記憶障害のみで他の精神症状を伴 わず「忘れた」という自覚があります。 それに対して、認知症(痴呆症)は明らかに病気であり、急に進むことも多く、時間や判断が不確かになり、物を盗まれたと かの妄想など精神症状を伴い、「忘れた」という自覚もありません。すなわち「年による物忘れ」の原因が「老化による脳の 神経細胞の減少」であるのに対し、認知症(痴呆症)の原因は「通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう 脳の病気」なのです。 ただ、他の場合も同様ですが、「物忘れ」と「認知症(痴呆症)」との境は、あいまいな部分もあります。 いわゆる「まだらボケ」という、どちらとも分類できない方も見受けられます。 また注意して頂きたいのは、「年による物忘れ」といえども「脳細胞の減少」であることには間違いがありませんので、早め に何らかの「減少を食い止める」手段をとるべきです。‥‥……━★ |
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健忘の原因と心・脾・腎の働き | |
記憶と健忘の中医学的なメカニズムは、心・脾・腎に関係します。上の図のように、この三つの臓が健全であれば、人は良 く記憶し忘れることはありません。しかし怪我や事故、精神的な大きなショック、あるいは老化などより、三つの臓の何れか の働きが低下すると記憶力の低下や物忘れをしてきます。 現代医学の記憶のメカニズムは、脳の海馬の神経伝達物質(シナプス)の異常によるもと言われています。 中医学では脳に関連する臓は、心・脾・腎です。 現代医学の心臓・脾臓・腎臓と、中医学の臓とは全く一緒ではありませんが、ある部分では共通します。 |
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中医学的な心と健忘 | |
人精神意識や思考は、大脳中枢神経の機能の働きによっている。人のこのような働きは、心との関係が最も深いのです。 心の生理的機能が正常で、臓腑・気血が充実していれば、精神状態・思考力・記憶力も明瞭です。もし心に病変が生じる と 、健忘・イライラ・不 安感・動悸・不眠・夢が多いなどが現れ、ひどい場合は昏睡などの意識障害や意識喪失、あるい は痴呆、発狂などの精神異常の症状が現れ ます。 中中医学的の心と健忘医学的の心と健忘 |
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中医学の脾と健忘 | |
血液は食べ物の栄養物がいろんな作用を経て、変化してできたものです。脾が健全であれば血液を保護し、正常な流れを 維持して、血管外に出さないようにすることができます。脾の機能が損なわれると、血液は各種の出血性疾患を起こし、心 に栄養を送ることができない。 現代医学での脾は、増血系統の重要な器官で、血液との関係は極めて深いといわれています。 |
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中医学の腎と健忘 | |
‥‥……━★認知症(痴呆症)を最初に社会問題として捉えたのが、1972年に作家、有吉佐和子さんが書いた「恍惚の 人」でしょう。 大家族から核家族になり、 数人の家族で支え合った老人介護が、一人だけに重くのしかかってきた社会の 変化が、その背景にあります。 また「一番なりたくない病気は何?」という問いに、一般の方が「ガン」と答えるのに対し、医師や看護師など医療関係者は 「認知症(痴呆症)」と答えることが多いそうです。 「ガン」が「先を読めて残った懸案を処理する時間がある」のに対し、認知症(痴呆症)が「判断そのものができなくなり、 長時間にわたり植物状態が続き、残された家族に膨大な負担を掛ける病気である」ことを、数多く体験しているからで しょう。‥‥……━★ 健忘症(認知症)の治療は、漢方が最適です。 |
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