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免疫のお話し 免疫のしくみ 病気と免疫
腸管と免疫 肝臓と免疫 肝臓での異物排除作用
リンパ球の分化・活性化 胸腺と免疫
 免疫のお話し

 『免疫』という言葉が医学の世界に登場してから、もう100年ほどになり、アレルギーやホルモンの用語とともに、私た
 ちの日常生活の中にとけ込んできました。例えば、「はしかは一度かかると免疫ができて、二度とかからない。」とか
 「樸は課長の小言に免疫ができているから平気だよ」などは日常よく交わされる会話です。

 もともと免疫の意味は、責任・納税・兵役 の義務を免除するという意味でした。それが色々な病気から免れること
 を表す医学用語になったのです。

 免疫とは、狭い意味では私たちのからだの中で働く免疫のしくみ、即ち白血球や抗体の働きのことですが、もっと広
 く考えるならば、免疫本来の意味である病気(疫)を免れるしくみ、即ち生体防御として考えることができます。

 病気と免疫は切っても切れない関係にあり、私たちの体を守る免疫のしくみが正常に働いてこそ病気を予防し、健
 康な生活ができるのです。

 私たちのからだの周囲には多くの異物(ウイルス・細菌・カビなど)がいます。これらの異物は、常に私たちの体を狙
 っています。また異物は外敵だけではありません。身体の内部に発生する異物(老化細胞・ガン細胞)もあります。

 私たちのからだは、 これらの異物を排除するために絶え間ない戦いを行っています。

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  免疫のしくみ
 
 私たちのからだがおこなっている異物との戦いは、
  @外界からの異物の侵入を阻止するしくみと、
  A体内に侵入した異物、および体内で発生した異物を排除するしくみ
    の二つにわけられます。

 異物を排除するしくみの基本は、自己(自分自身のからだ)と非自己を見分けて、非自己を排除することです。
 異物排除のアウトラインは次ぎのようになります。

   @異物の侵入を阻止する。
    (皮膚・肺・腸管などでの防御)  
       ↓          角質・粘膜のバリア・抗体などを

   A侵入した異物、体内に発生した異物をすばやく処理する。
       ↓          補体・赤血球・マクロファージ・好中球・T細胞・NK細胞など

   Bからだに住み着いた異物を攻撃し処理する。
       ↓          T細胞・B細胞・抗体・マクロフアージ・NK細胞など

   C免疫の獲得     記憶細胞・抗体


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  病気と免疫
 
 病気と免疫は切っても切り離せない関係にあります。全ての病気が免疫と深い関わりを持っていると言っても過言ではあ
 りません。私たちの周辺で比較的多い病気の代表「カゼ」も例外ではありません。免疫力の低下が、カゼを引き込み、又症
 状を悪化させ長引かせるのです。

 カゼの時の発熱は、免疫力高めるしくみの一つですがら、むやみに熱を下げるのは考えものです。 
 
 また免疫が直接病気の原因となる場合があります。慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患といわれる病気や、花粉症、
 アトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患がそれです。

 免疫力はいろいろな原因で低下することがあります。下のように種々の原因で免疫力が低下した状態を『免疫不全』と呼
 びます。免疫不全により、成人病・感染症・ガンなどの病気が起こりやすくなります。

         
免疫力を低下させる要因
    
精神ストレス  抗生物質  副腎皮質ホルモン  化学制ガン剤
    
手術      ●放射線   電磁波       騒音・雑音
    
寒冷・暑熱   ●喫煙    ●化学物質  など
           ↓
         
免疫関連臓器
           ↓
         
萎縮・減量・腫瘍
           ↓
   
 ●成人病     ●老化促進  ●免疫不全症     ●自己免疫疾患
    ●
アレルギー疾患 悪性腫瘍  内分泌系疾患    
   
 ●ウイルス・細菌・カビ感染症
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  腸管と免疫

 私たちは毎日異物である食品を摂取し、からだに吸収され、栄養となっています。一方、食品の中にも異物である細菌・ウ
 イルス・カビなどが少なからず混入していますが、通常これらのものは吸収されずに排除されます。

 このように腸管に免疫は、からだに必要な異物は取り込み、害になるものは排除するという不思議な働きがあります。
           
  腸管の免疫が正常に働かなくなり、ある食品に対して免疫反応が起こると、 食物アレルギーを起こすこと
  があります。この時下痢になるのは異物排除の一つの症状です。また、腸疾患(ポリープ・大腸ガン ・クロー
  ン病・潰瘍性大腸炎など)の危険が増加します。

  腸管の免疫には腸内細菌が大きな影響を与えます。便秘が悪いことはいうまでもありません。
  種々の異物にさらされる腸管はからだを守る大切な場所であり、腸管の働きを正常に保つことこそ健康の
  源といえます。

     
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  肝臓と免疫
 
 従来肝臓は、免疫臓器としてあまり重要視されていませんでした。しかし、近年肝臓は免疫の中心的役割を持っているこ
  とが学会などで報告されています。   

  肝臓での異物排除作用
 
 異物を早期に排除することは病気を防止するために重要なことです。この働きの要は肝臓です。肝臓にはクッパー細胞
 (肝臓で活性化されたマクロフアージ)という頼もしい防衛軍団が配備されています。肝臓には血液が大量に送り込まれま
 す。この血液中に混入した異物は、クッパー細胞の標的となり、処理されます。

 この仕事に協力しているのが補体と赤血球です。

 補体は異物に目印をつけ、赤血球は目印のついた異物を肝臓へ運ぶ役割を持っています。貧血の人は異物処理能力が低
 下しています。肝臓で処理される異物は外から侵入してきたものの他に、老化細胞やガン細胞などがあります。


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  リンパ球の分化・活性化
 
 白血球は骨髄で作られる肝細胞が、それぞれの経路で分化・活性化し、種々の働きを持つように成熟していきます。肝臓
 ではTリンパ球とNK細胞が分化・活性化されています。これらはいずれもリンパ球の仲間で、からだに送り出されてからだ
 全体で働いています。

 NK細胞は、異物の細胞を処理するパト ロール軍団で病気の予防という大切な仕事をしています。
 Tリンパ球は免疫軍団の司令塔ともいうべき 重要な仕事をしています。

 最近の研究では、肝臓で分化・活性化するTリンパ球は老化細胞・ガン細胞など自己変異物細胞の処理及び自己免疫疾
 患に関与していることが確認されています。

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 胸腺と免疫
 
 胸腺という臓器は一般にはあまり知られていません。胸の中央部・胸骨の後ろにある臓器で、生まれたときは18gぐらいで
 、その後だんだん大きくなり思春期には30gぐらいまでになります。その後次 第に萎縮しはじめ60歳以降では10g以下に
 なってしまいます。胸腺は免疫にとって重要な臓器で、白血球の仲間であるTリンパ球を分化・成熟させます。

 胸腺からのTリンパ球は、外敵(細菌・ウイルス・カビなど)を専門に処理することです。
 胸腺はTリンパ球に自己と非自己を厳密に識別することを教育する臓器です。
 胸腺由来のTリンパ球は、免疫軍団のエリート中のエリートといえます。

 胸腺の働きが最も重要な期間は生まれてから成人になるまでです。生まれた直後は、しばらく母親
 から受け継いだ免疫力で身を守ることができますが、その後は自力で身を守らなければなりませ
 ん。この時期に力を発揮するのが胸腺です。

 生まれてから成人するまでの間からだを守ってくれる胸腺ですが、成人になれば敵は外敵だけではありません。体の中で
 発生するガン細胞、老化細胞などと戦わなければなりません。そのため成人になると胸腺が萎縮し、肝臓・腸管で分化さ
 れるTリンパ球が主役を演じてくれるようになります。

 私たちの周囲には免疫力を低下させる環境が満ちあふれています。これらの影響をなくすことは不可能です。

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