阿弥陀寺だより

平成19年夏季 第12号
  

「姉の手紙」
   
住職 野口正晧

 私には血はつながっていませんが、6つ違いの姉がいます。
 大分の正念寺で、丹羽貫誠・サカヱ師匠夫妻のもとで姉(誠)を始め、多くの家族と共に20年近く育てられました。
 師匠と母は、実子である姉を大学に行かせずに、高校を卒業させると地元の大分銀行に勤めさせました。そして血縁のない私を大学まで出させてくれました。
 大分大学に入学するとき、姉はお祝いとしてなけなしの給料から革靴と革のカバンを月賦で買ってくれました。
 姉は現在、西東京市に住んでいますが、手紙や俳句をよく送ってくれます。
 昨年の10月9日(母の命日)に届いた手紙を紹介させていただきます。

◎仰ぎ看し 金木犀の 香に染まり
◎母こそや 常随給仕 秋の寺
◎秋雨に 負けずに静か 母逮夜


 いつもありがとうございます。先日の贈り物のクギ煮初めていただきました。チーズもクギ煮も「正ちゃんより」よと言ってお供えしました。
 いつもいつもつたなき句を読んで下さりありがとう。
 この世ではご恩返しができませんが、お浄土で母の台にてご一緒しましょう。
 明日は詠唱教室です。寺内の皆々様によろしくお伝え下さいませ。    
          合掌
          誠
 阿弥陀寺 様

8月2日(木)午前8時半から
おせがきのおつとめをします

 ご先祖先亡のご回向を行うお施餓鬼を、例年のとおりおつとめさせていただきます。
 ご先祖に英霊が在るお家は、午前8時半までにお参りください。一般の回向の前に英霊回向があります。
 また、新たに永代せがきを申し込まれたお家(初盆のお家など)は、施餓鬼会の最後(午前10時半頃)に一霊ずつご回向させていただきます。ご親族の方々でお参りください。

蓮の花

      咲いた花見て喜ぶならば
          咲かせた根元の恩を知れ

おせがきの意味は?

 「おせがき」は、「施餓鬼会(せがきえ)」「施食会(せじきえ)」などといわれ、生きとし生けるものすべてを対象に行われる法会です。
 その由来は、釈尊の十大弟子の一人である、阿難尊者(あなんそんじゃ)が、ひとりで瞑想している時、口から火を吐くひとりの恐ろしい餓鬼があらわれ、
「お前は3日後に死んで、我々と同じ恐ろしい餓鬼道に落ちる」と言いました。
 恐れおののいた阿難尊者が、どうしたらそれを免れることができるかを尋ねたところ、その餓鬼は、
「その苦から免れたければ、三宝(仏・法・僧)に供養せよ。また無数の餓鬼たちに食物を施して、供養した功徳により、餓鬼も救われ、その功徳によってお前も救われるだろう」と答え、姿を消しました。
 阿難尊者は、釈尊に教えを請い、その求めに応じて釈尊が示されたありがたい陀羅尼を唱えながら餓鬼に食を施したところ、かえって長寿を得られたという由来に基づいたものが施餓鬼会のはじまりです。
 法要では餓鬼だけでなく、先祖代々や広く無縁の諸精霊を供養し、また同時に皆さん自身の福徳延寿を願います。
 施餓鬼会は、新亡の霊や先祖代々の諸霊を供養するとともに、無縁仏や餓鬼に施しをする法要ですが、さらに日頃の自分自身の内にある「餓鬼」の心を反省し、自他ともに生かされている身をしっかり受け止め、救われる功徳をお互いに積んでいくことが最も大切なことなのです。


 


阿弥陀寺だより   ちょっといい話   浄土宗のページへ   トップページへ