阿弥陀寺だより

平成20年冬季 第19号
  

「おかげさまで」という言葉に思う
   住職 野口泰宏

  私たち日本人の毎日の生活の中で「おかげさまで」という言葉がよく使われます。
 先日も、あるお方に道で出会った時、
 「おはようございます。お元気そうでなによりですね」と声をかけたところ、
 「ええ、おおきに。おかげさんで…」
と返事が返ってきました。
 「おかげさま」というのは、単なるあいさつ言葉としてでなく、その奥には深い意味があるように思います。
 私たちは、目に見えない大いなる力によって生かされて生き得ており、無意識のうちにそのことに感謝する心を抱いてきました。
 ある原因に、いろいろな縁(条件)が重なって、ある結果が生まれます。空気や水、その他の生きとし生けるものすべてとの因縁を感じ、その恩恵を思うことを「おかげさま」と言い、その象徴として仏さまやご先祖に手を合わせます。
 ところが最近のニュースを見ておりますと、何か世知辛い話題ばかりが目につきます。自己中心の生き方をする人が増え、「恩を売る」人や「恩知らず」「恩を仇で返す」ような事件ばかりです。人間同士のあるべき姿や人間と大自然との望ましいありようを考えてみますと、「恩」や「恩恵」を避けて通ることはできないように思えてなりません。
 仏教では、良い縁を結べばよい結果が生まれ、悪い縁を結べば悪い結果が生まれると説かれています。よく分かっていながら、そのとおりにはいきません。自分ではどうにもならないことだって、たくさんあります。しかしそういう時こそ、生かされている大きな恩を感じとり、それに報いる心構えで生活することが大事だと思います。
 これまでの人生を振り返った時、いかに多くの恩を受け、また逆にいかに多くの怨みを抱いてきたかに気づきます。そんな時、次の一句を戒めにしたいと思います。
 「恩は石に刻むべし
  怨みは水に流すべし」

                合掌

修正会(年始のおつとめ)は
1月2日午前10時から

 新年、最初のおつとめを1月2日午前10時から阿弥陀寺で行います。
 社会の平和と人々の幸福を祈って、法会(ほうえ)を修します。これを修正会といいます。私たちも無事新年を迎えられたことをご本尊さまに感謝し、この一年すこやかに過ごせるよう、皆さんと一緒にすがすがしい新年を迎えられたことに感謝し、新しい年が幸せな年となりますよう共に願いましょう。
 皆さんお誘いあわせの上、老若男女を問わず、お参りくださいますようお願いいたします。

文殊会を1月12日(成人の日)に開きます

 知恵の仏様である文殊さまのおつとめを、子ども会のご協力のもと、1月8日(成人の日)に行います。
昨年の文殊会
 内容は、
◎子ども会の役員さんによる餅つき…老人会館前で午前6時から
◎とんど(古いしめかざりやお守りなどのお魂を抜いて火にあげます)、もちつき、ぜんざいの接待

……阿間河滝町グラウンドで午前8時30分から

◎おつとめ、受験生の合格祈願、「コール・ブリランテ」によるコーラス
 ……本堂で午前9時30分から

◎西之内:西光寺ご住職による三味線の演奏とお話
 …本堂で午前10時30分から

 後日、子ども会の役員さんから配られる絵馬に「願いごと」を書いて、当日持ってきてください

年回忌のお知らせ

 来年、年回忌に当たっているお宅へ、12月中旬に念仏講の方を通じて、文書でお知らせします。
 来年の年回忌は下表のとおりです。

1周忌 平成20年亡
3回忌 平成19年亡
7回忌 平成15年亡
13回忌 平成9年亡
17回忌 平成5年亡
25回忌 昭和60年亡
33回忌 昭和52年亡
50回忌 昭和35年亡

 


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