阿弥陀寺だより

平成21年冬季 第23号
  

「足るを知る」生き方を   
   
住職 野口泰宏

  私たち人間の欲望をおさえる事は本当に難しいことです。無ければ欲しいし、有れば有ったでもっと欲しくなる。そして有るものは失いたくない。 一度、家の中を見てください。あらゆるものが溢れていませんか? 本当に必要なものはどれだけありますか? 一時の楽しみのためや、広告につられて買ったはいいが、ホコリをかぶって眠っているものはありませんか?
 この生活スタイルを見直すためには、仏教的に言えば、「知足」(ちそく)“足るを知る”ことを認識することです。
 「知足」とは、欲望に振り回されるのではなく、欲望をコントロールする力です。ムダなものがあるということは、その物自体がムダなのでなく、私たちがその物の「いのち」をムダにしていることにほかなりません。
 欲望というものは勝手なもので、限りなく不満を大きくするばかりです。そこに本当の幸せはありません。幸せというものは、「足ることを知り、お互いに分け与えるということが原点」だと思います。そこから、思いやり・いたわり・やさしさが生まれてくるのではないでしょうか。
 確かに今の世の中は便利になったのかもしれません。携帯電話があれば、いつでも直接、話したい相手につながります。しかし、それを紛失した時、ものすごい不安が襲ってきます。「便利」の裏には必ず「不便」が付いてまわります。
 今の不況を良ききっかけとして、足るを知る暮らしの中に幸せを見い出したいですね。


修正会(年始のおつとめ)は
1月2日午前10時から

 新年、最初のおつとめを1月2日午前10時から阿弥陀寺で行います。
 社会の平和と人々の幸福を祈って、法会(ほうえ)を修します。これを修正会といいます。
 毎日を正しく生活しているようでも、気づかぬ間にズレが生じてくるのが、私たち凡夫(ぼんぶ)の姿です。これを年の初めに修正し、無事新年を迎えられたことをご本尊さまに感謝し、この一年すこやかに過ごせるよう、皆さんと一緒にすがすがしい新年を迎えられたことに感謝し、新しい年が幸せな年となりますよう共に願いましょう。
 皆さんお誘いあわせの上、老若男女を問わず、お参りくださいますようお願いいたします。



文殊会を
1月11日(成人の日)に開きます

 智恵の仏様である文殊さまのおつとめを、阿間河滝町子ども会のご協力のもと、1月11日(成人の日)に行います。
 内容は、
◎子ども会の役員さんによる餅つき
 …老人会館前で午前6時から
◎とんど(古いしめかざりやお守りなどのお魂を抜いて火にあげます)、ぜんざいの接待
 …阿間河滝町グラウンドで午前8時30分から
◎おつとめ、受験生の合格祈願、「コール・ブリランテ」によるコーラス
 …本堂で午前9時30分から
◎前住職による法話…本堂で午前10時30分から
 後日、子ども会の役員さんから配られる絵馬に「願いごと」を書いて、当日持ってきてください。


手を合わすということ

 合掌(手のひらを合わす)は、仏さまに礼拝するときの大切な礼法です。
 合掌は心を散乱させず、一つに集中することができます。
 また合掌は、人と会った時、その人に対しての敬意を表します。
 仏前の合掌礼拝は、仏さまに対する帰依(心から信仰する)を表し、感謝と祈りの表しです。それと同時にご先祖や、亡き人に対する感謝と祈りです。
 合掌のこころをよくあらわしたものに、次の歌があります。

 右仏(みぎほとけ)左衆生(ひだりしゅじょう)と拝む手の

 中ぞゆかしき南無の一声


 仏教では、右を尊いものとするので仏さま、左を衆生(私たちの姿)とみなします。


 


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