阿弥陀寺だより

平成22年冬季 第28号
  
「イジメや差別」をしない
     阿弥陀寺住職 野口泰宏

 イジメは、肉体的・精神的に自分より弱いものに対して、暴力や嫌がらせをして苦しめることをいいます。「自分より弱いもの」をいじめるところが特徴的で、そのウラに、自分はイジメられたくない、のけ者にされたくない、という心理が働いているようです。それも自分に自信がないからで、人と違って見られるのが不安なのでしょう。金子みすずさんの詩に、
「みんなちがって、みんないい」という言葉がありますが、みなが同じである方がおかしいのです。石ころひとつにしてもみな形が違います。
 昔、お釈迦様の弟子に周梨槃特(しゅりはんどく)というお弟子がいました。彼は教えられたことをなかなか覚えることができませんでした。
しかし槃特はなんとかして仏の教えを得て、悟りを開きたいと思い、お釈迦様に、たずねました。 その時、お釈迦様はやさしく言われました。
「心配いらない。お前には悟りを得るために必要な、素直さと純真な心が、ちゃんとそなわっている。それが一番大事なのだよ」と。
そして、庭や道を掃除する時に、こう言いなさい、『われは、ほうきをもってチリをはらう』と。この文句を覚えるだけでいいのだ」と言われました。
 彼はこの文句を、自分の体全体を使って覚えましたから、いつしか周梨槃特と、ほうきとは一体になり、槃特の心にはチリひとつない、すがすがしさが生まれ、阿羅漢(あらかん)という悟りを得たのです。
 人のほんとうのよさは、このように一途(いちず)にするところから生まれると思います。


修正会(年始のおつとめ)は
 1月2日午前10時から


 新年、最初のおつとめを1月2日午前10時から阿弥陀寺で行います。
 社会の平和と人々の幸福を祈って、法会(ほうえ)を修します。これを修正会といいます。
 毎日を正しく生活しているようでも、気づかぬ間にズレが生じてくるのが、私たち凡夫(ぼんぶ)の姿です。これを年の初めに修正し、無事新年を迎えられたことをご本尊さまに感謝し、この一年すこやかに過ごせるよう、皆さんと一緒にすがすがしい新年を迎えられたことに感謝し、新しい年が幸せな年となりますよう共に願いましょう。
 皆さんお誘いあわせの上、老若男女を問わず、お参りくださいますようお願いいたします。


文殊会を1月10日(成人の日)に開きます

 智恵の仏様である文殊さまのおつとめを、阿間河滝町子ども会のご協力のもと、1月10日(成人の日)に行います。
 内容は、
◎子ども会の役員さんによる餅つき
 …老人会館前で午前6時から
◎とんど(古いしめかざりやお守りなどのお魂を抜いて火にあげます)、ぜんざいの接待
 …阿間河滝町グラウンドで午前8時から
◎おつとめ、受験生の合格祈願、「コール・ブリランテ」によるコーラス
 …本堂で午前9時30分から
◎前住職による法話…本堂で午前10時30分から
 後日、子ども会の役員さんから配られる絵馬に「願いごと」を書いて、当日持ってきてください。


病気と健康を考える

 昔から「病(やまい)は気から」といわれるように、病気は、その人の気持ちしだいで軽くもなるし、また重くもなるということがあります。もちろん、気だけで病が治るということではありませんが…。
 ここでは心の観点から、健康の秘訣(ひけつ)三つをあげてみましょう。
一、少しでも善いことをして、悪いことはしないこと。
二、つとめて悲観的にならず、つとめて楽観的になること。
三、世の中は好いことばかりや悪いことばかりあるわけではないと心得て、一喜一憂しないこと。

 一の「悪いことをしない」というのは、悪いことをすると、だれも心の中で後ろめたく感じるはずです。後ろめたく感じるというのは、心の健康によくありません。
 結局、イライラするのが一番よくないでしょう。ストレスは心臓にも胃にも血管にもよくありません。
 
平生(へいぜい)の気持ちに欲しや風呂あがり
 そんなさっぱりした気分でいたいものです。もっとも浸(つ)かりすぎてのぼせてはいけませんが…。



阿弥陀寺だより  ちょっといい話   浄土宗のページへ   トップページへ