阿弥陀寺だより

平成24年秋季 第35号
  
「サザエさん」に学ぶ

 暑かった夏もようやく峠を越え、秋の気配を感じられるようになってきました。
 さて皆さんはテレビアニメの「サザエさん」をご存じですか。昭和四十四年から放送の続いている長寿番組です。
 サザエさん一家は、歳をとりません。息子のタラちゃんは幼稚園にも行かず、三輪車で遊んでいます。カツオ君も小学校五年生のままです。アニメーションですが、ホームドラマです。欠点があって失敗をくりかえすこの一家が、観る人の心を飽きさせません。
 三世代が同居していながら、平屋造りで、広い庭もあり、自動車も携帯電話も持たず、丸いチャブ台で一家そろって食事をします。カツオ君は塾へも行かず、テストは平均三十点で、学校から帰るとすぐに友達と野球をしに出かけます。そこから子供社会でのルールを身につけ、ライバルを知り、競争することを覚え、叱られながら痛みを知り、学ぶことの大切さを自覚していくのです。
 家族が善悪の判断や、他人への思いやり、弱い者を助ける勇気などを身につけさせて、本当の「心の居場所」になる家庭づくりをしているのです。
 今日の企業は次々と便利なもの、おもしろいもの、楽なものを作り出し、限りない消費生活を進めてきました。その結果、家庭まで会社のように合理化され、生産性のない子どもはお金が育て、お年寄りはそれなりの施設に入り、「心の居場所」はますます少なくなるばかりです。
 サザエさん一家は、今の私達に何が本当に大切なものなのか、何を今、優先すべきなのかを毎週日曜日の夕方、私たちに問い続けているのではないでしょうか。

おてつぎ信行奉仕団参加者を募集

 来る10月29日(月)〜30日(火)に、阿弥陀寺より「おてつぎ信行奉仕団」として、知恩院へ参拝する予定です。
 くわしくは、阿弥陀寺までお問い合わせください。

秋季彼岸会のおつとめは
9月22日(祝)午後1時半から


 例年のとおり、春季彼岸会の法要をつとめます。
 今年の彼岸の入りは9月19日(水)です。
 ご先祖や有縁の方々のご回向をさせていただきます。先立たれたご先祖を偲び、感謝の気持ちを皆さんと一緒にささげましょう。
 なお、ご回向の後、前住職による法話も予定しております。
 ご家族、ご近所お誘いあわせて、阿弥陀寺へお参りください。

毎日のおつとめ
日常勤行式 その5


 前号に引き続き、毎日のおつとめ「日常勤行式」を少しずつ見ていきましょう。

  
開経偈(かいきょうげ)
 仏さまの教えにあうことは難しいことですが、今、その真実の教えにあい、心におさめることができる喜びをもっておとなえします。

 無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)
 百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)
 我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅうじ)
 願解如来真実義(がんげにょらいしんじつぎ)

(訳)
 この上もなく深くすぐれた仏様のみ教えに出会うことは、永遠の時を経てもあり得ないほど難しいことです。
 私は今、その教えを受けさせていただくことができました。
 その真実の教えを理解し、身につけたいと心から願います。


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