阿弥陀寺だより

平成26年秋季 第43号
  
「お天道(てんとう)さんが見ているよ」
     住職 野口泰宏

 ここ数年、異常気象が続いています。突然の大雨による土砂災害で尊い命が奪われたことには本当に心が痛みます。
 そんな時、いつも感じるのは「お天道様が私たちに警鐘を鳴らしてくださっているのではないか」ということです。
 警鐘とは辞書に「よくない事態に向かっていることを告げ知らせるもの」とあります。
 「お天道様がみているぞ」と親やまわりの人に注意されたことで、悪いことやずるいことを思いとどまったという方もおられるでしょう。
 「天道」とは仏教では六つの世界(六道)のひとつとされ、神々や天人が住む世界とされています。
 誰にも見られていないようで、私たちはいつも大きな存在によって動かされていると思うのです。それが天なのか神なのか仏なのかは人それぞれでしょうが、私たちは大いなるものによって生かされている小さな一つの存在であることを今一度、立ち止まって考えることが大切ではないかと思うのです。
 確かに日々の生活は便利になり、豊かになったのかもしれませんが、大切な何かを忘れてはいないでしょうか。
 近年、「格差社会」や「競争社会」と言われるように、他者と自分をくらべて優劣をつけることに慣れてしまったせいか、「和する」という日本人古来の大切にしてきた考え方が薄れているように感じてなりません。
 「自分さえよければ」という考え方を捨てて、「みんな一緒に」「おかげさんで」という気持ちで日々をすごさせていただきましょう。
 お天道さまは分け隔てなく私たちを平等に見続けておられるのですから。



おてつぎ信行奉仕団参加者を募集

 平成26年10月27日(月)〜28日(火)に、阿弥陀寺より「おてつぎ信行奉仕団」として、知恩院へ参拝します。皆さまのご参加をお待ちしています。
 くわしくは、阿弥陀寺までお問い合わせください。

    


秋季彼岸会のおつとめは
9月23日(祝)午後1時半から


 例年のとおり、春季彼岸会の法要をつとめます。
 今年の彼岸の入りは9月20日(土)です。
 ご先祖や有縁の方々のご回向をさせていただきます。先立たれたご先祖を偲び、感謝の気持ちを皆さんと一緒にささげましょう。
 なお、ご回向の後、前住職による法話も予定しております。
 ご家族、ご近所お誘いあわせて、阿弥陀寺へお参りください。



毎日のおつとめ
 日常勤行式その8


 毎日のおつとめ「日常勤行式」の最終回です。

  
送仏偈(そうぶつげ)


 道場にお迎えした仏さまをお送りする心でおとなえします。
 

 
 請仏随縁還本国(しょうぶつずいげんぽんごく)
  

  普散香華心送仏
(ふさんこうげしんそうぶつ)
  

  
願仏慈心遥護念(がんぶつじしんようごねん)
  

  同生相勧尽須来(どうしょうそうかんじんしゅらい)
  


(意味)
 仏さまにお願いいたします。
 それぞれご縁に従って、お浄土へおかえりください。
 香を薫じ、華を散じつつ、心から仏さまをお送りさせていただきます。
 願わくは仏さまの慈悲のみ心をもって、遠くからでも私たちをお守りください。
 お浄土に生まれた方々は、私たちにも「必ず浄土に生まれよ」と勧めていらっしゃいます。


 


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