阿弥陀寺だより

平成18年新年 第5号
  

「師の信条と言葉」
   
住職 野口正晧

 亡師(丹羽貫誠)は和歌山県田辺市で生まれ、大阪の大蓮寺で仏弟子になり、縁あって大分市佐賀関の正念寺で住職として人生の大半を過ごしました。
 師自身、幼い時、母親に死別したこともあって、私のような両親に縁の薄かった子どもを二十数人も手許に引き取って育ててくれました。
 その師の生涯を貫いた信条哲学が自身の戒名にも残した融通無礙(ゆうづうむげ)でした。
 仏教語大辞典(中村元著)によると
 融通…異なった別々のものが融(と)け合って障(さわ)りがないこと。両方が相まって完全となり、思い通りにことが運ぶ
 無礙…他のものを拒否しないこと。まどかなこと
とあります。
 「融通無礙」を阿弥陀寺堂宇落成を記念して、杉本東奏さんから額に揮毫していただき、書院に掲げています。
 師は生前よくこんなことを言っていました。
 「人の値打ちは
 その人がどこにいるのでは なく、
 そこで何をしているかで決 まるものだ」
 まさにそのような人生を師は全うしたと思っています。
 私ごときは、なかなかそこまで及びませんが、少しでも近づけるように努力しているつもりです。
 『生き場所が ここにあったか 屋根の草
                            合掌

「六波羅蜜」ってなに?

 秋季号で、お彼岸は六波羅蜜を行じる期間と書きました。今回はこの六波羅蜜について考えてみましょう。
 「六波羅蜜」とは6つの「波羅蜜(パーラミター)」つまり「彼岸」(極楽浄土)に至るための実践方法です。
 その6つとは
@布施…与えること。大きく分けて、物質的な施しである「財施」と精神的な施しの「法施」がありますが、それ以外にも笑顔(和顔施)、まなざし(慈眼施)、優しい言葉(愛語施)、座る席(床座施)や泊まる宿(房舎施)、人の幸せを喜ぶ(心慮施)などがあります。
A持戒…良き生活習慣を身につけて保つこと。もっと簡単にいえば「むさぼらないこと」といえるでしょう。
B忍辱…耐え忍ぶこと。何が起こっても、すべて「自業自得」とわきまえ、責任を他のせいにしないことです。椿の花
C精進…努力、つとめるということ。「精だせば 凍る間もなき 水車」という句がありますが、この水や水車のように、とにかく留まらないことといえるでしょう。
D禅定…心をしずめ、精神を統一すること。思念をこらして心を動揺させないことです。
E智慧…単なる知識を超えた明確な判断のこと。先入観や利害にとらわれず、明らかに判断することといえます。
 以上、六波羅蜜を簡単に説明してまいりましたが、この行が完成されたのが「彼岸」(極楽浄土)の世界です。これに対し、私たちのいる現実の世界を「此岸」といいます。
 現代は「楽しみがあっても、喜びのない時代。刺激はあっても、感動のない時代」といわれます。
 今の時代「六波羅蜜」をもう一度見つめてみる必要があるのではないでしょうか。





(一輪の花は寒風の下でも文句も言わず、私たちの心を癒してくれます)

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阿弥陀寺のホームページ

 皆さんは、阿弥陀寺のホームページがあることをご存知でしたか?
 内容はまだまだこれからですが、順次、充実させていきたいと考えておりますので、もしご覧になったらご意見をお聞かせください。
アドレスは
http://www2.sensyu.ne.jp/amidaji/です。

 


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