阿弥陀寺だより

平成28年夏季 第51号
  
「ゆくところ かえるところ」

 お盆は日本でもっとも定着している仏教行事です。
 お盆には他所に出ている人も里帰り、仏の里に帰っているご先祖もひとときの間、帰ってきます。帰るという言葉には、なんという安らかな響きがあるのでしょう。

   
「送り火や今に我等もあの通り」 (小林一茶)

 この句は、この世は浮き世という感覚から生まれた句です。 この世に浮かれている我々も、いつかあの送り火とともに帰ってゆく霊と同じところにいくんだよ……という、ちょっと醒めた見方です。
 大晦日の除夜の鐘が鳴るころ、「ゆく年くる年」という番組がありますが、古い年が去り、新しい年がやってくる、その「ゆく時・くる時」を、確かにこの除夜の鐘の鳴るころほど感じさせてくれる時はないでしょう。
 それに対してお盆は、人の「ゆくところ、かえるところ」に思いをいたす時だといえるでしょう。
 私たちは、どこから来たのか分からないまま生まれ、気がついたら、この世界に足をおろして人生の歩みをはじめている、というのが正直なところでしょう。そしてこの世界は、ゆく人くる人の繰り返しです。
 しかしゆく人はまた帰る人でもあるでしょう。やって来たからには、帰ってゆくところがあるはずです。
 お盆は、生者と死者が再会する季節といえますが、また同時に生者自身のゆくところ、かえるところを考えさせてくれる季節でもあるんですね。

                                                                                      合掌

8月2日(火)午前8時半から おせがきのおつとめをします

 ご先祖先亡のご回向を行うお施餓鬼を、例年のとおりおつとめさせていただきます。
 施餓鬼供養は、有縁・無縁の精霊に功徳をたむける法要です。
 ご先祖に英霊が在るお家は、午前8時半までにお参りください。(一般の回向の前に英霊回向があります。)
 また、新たに永代せがきを申し込まれたお家(初盆のお家など)は、施餓鬼会の最後(午前10時半すぎ)に一霊ずつご回向させていただきます。ご親族の方々でお参りください。



「おてつぎこども奉仕団」参加者募集

 今の子どもたちを取り巻く環境はめまぐるしく変化し、日々の生活にストレスを感じている子どもがいるという話も耳にします。
 「おてつぎこども奉仕団」は、おつとめや清掃奉仕、仲間との集いなどを通じて、心身ともに健康な子どもを育てることを目的とした浄土宗の奉仕団で今年で39回目です。
 「感謝の気持ち」「助け合いの気持ち」などをきっと体得していただけるでしょう。
 送迎は住職が行います。

日時
:8月20日(土)〜22日(月)の2泊3日

対象
:小学3年〜中学3年までの男女

宿泊地
:総本山知恩院

参加費
…4千円

締め切り
…7月7日(木)

※ くわしくは、阿弥陀寺までお問い合わせください。

お盆のお参り
町内は8月13日(木)

  お盆は、次の日程でお参りさせていただきます。

(順不同)
・8月10日(水) …初盆のお宅
・8月11日(木)…八幡町、堺市、 和泉市、大阪狭山市、大阪市、泉南市
・8月12日(金)…阪和線より山側の市内、貝塚市
・8月13日(土)の早朝より…阿間河滝町
・8月14日(
)…阪和線より浜側の市内
・8月15日(月)午後3時より阿弥陀寺で…精霊送り

 また、お盆の経木(きょうぎ)のご入用の方は8月2日(火)以降に寺まで取りに来てください。一枚300円です。
 年に一度の先立った方の里帰りです。最も暑い時期ですが、家族そろってまごころをこめてお迎えしましょう。
          合掌




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