阿弥陀寺だより

平成28年秋季 第52号
  
「人生最期のことば」
      住職 野口泰宏

 とても苦しいことを「四苦八苦」といいますが、この「四苦」というのは、
「生・老・病・死」のことで、仏教では人生の苦悩の根本原因はこの「生・老・病・死」の「四苦」にあると教えています。
「生」はもちろん、この世に生を受けるということ、「老」は老いること、  「病」は病にかかること、 そして「死」は、いつかこの世を去っていくということです。
 この「生老病死」は、自分が願っても願わなくても、むこう側から必ず来る苦しみです。自分から病気になろうという人はいないでしょうが、気がついたらガンに冒されていたとか、また、死にたくはないと思っても死は必ず誰にでもやってきます。
「死ぬことを忘れていてもみんな死に」という言葉があるように…。
 お年寄りは「死」についてこう言います。「苦しんで死にたくはない、スーッと楽に死にたい。それから人に迷惑をかけないよう、長く患わないでポックリ往きたい。そして、できれば一人ぼっちでなく身内にみとられて往きたい」
 これは当然の願い、自然な気持ちの表れだと思います。
 人は誰でも最期の時を迎えるのですが、いざというお別れの仕方というものは、なかなか自分の思うようにはならないものでしょう。
 しかし、財産を残すとか名を残すとかということよりも、心のこもったあいさつの言葉を残してお別れができたら、とてもすばらしいことだと思います。
 そのお別れの言葉で大切なのは、一つは感謝の言葉だと思います。
 奥さんに「永い間、ありがとう」といういたわりの言葉をかけるとか、あるいはお嫁さんに「いろいろと苦労をかけたね」とねぎらいの一言を残すということ。その一言で、あとに残される者がどんなに報われた思いがすることでしょう。
 もう一つには、「兄弟みんな仲良くして…」とか「おばあちゃんを大事にね…」などの励ましの言葉です。
 人生最期の時、皆さんはどんな言葉を残しますか?

11月17日(木)午後7時半から、お十夜のおつとめをします

 十夜法要は、阿弥陀さまの本願を信じ、お念仏の尊さを知り、感謝の気持ちを込めてお念仏をおとなえする法会です。
 これに加えて秋の収穫をご先祖に感謝する意味もこめられていたのかもしれません。
 ひとりではなかなかお称えしにくいお念仏も、みんなで一緒ならばお称えしやすくなります。共にお念仏を申しましょう。
 おつとめの後、泉大津・淨福寺副住職の櫻澤宏尚上人による法話を予定しています。
 皆さまお誘いあわせて、お参りください。

年回忌のお知らせ

 平成29年、年回忌に当たっているお宅へ12月初旬に郵送でお知らせします。
 来年の年回忌はここのとおりです。



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