阿弥陀寺だより

平成30年秋季 第59号
  
「愚かな私を救うもの」
      住職 野口泰宏
 今年は例年になく異常気象に悩まされました。地震、台風、豪雨に酷暑…と今まで経験したことのない被害が各地で起きました。
 なかでも、久しぶりの停電にとまどった方も多かったと思います。
 今回の停電は大規模でしたが、当地は比較的短い時間で復旧しました。後に話を聞くと、
「ろうそくやカセットコンロで急場をしのいだ」
「しかたないから早めに寝た」などの声が聞かれました。
 それにしても、改めて身辺を見回してみると、私たちの生活は電気製品に囲まれていて、電力供給が止まってしまうとすぐに生活ができなくなってしまいそうです。
 当たり前のように過ごしている毎日は「当たり前」ではなく「有難い」ということ。ましてや、家族や周囲の人たちと共に笑って過ごせるということは、この上のない幸せではないでしょうか。
 『天災は忘れた頃にやって来る』と言いますが、決して忘れないこと、他人事ではないということを今一度、肝に銘じなければなりません。 
 常日頃は自然を征服したかのように振る舞っている人間ですが、地震、台風などの自然の猛威にさらされる時、改めて大自然の力は大きく、人間の力はいかに小さいかを思い知らされます。
 また、災害が過ぎて時間がたつと人間の小ささを忘れ去り、自然をコントロールできるかのように振る舞い、人間の持つ愚かさや迷いに気付くこともなく、ましてや人間の内なるものに目を向けようともしないのが私たち人間です。
 法然上人は、愚痴の身であることに気づいて、阿弥陀仏にすべてをおまかせする気持ちになれば、迷いが深く心が深くとも、そこに仏に認められ許されている自分がいることに気づき、安心を得ることができると教えてくださっています。
 今日あることは有り難しという思いで、「今」を生かさせていただきましょう。


11月18日(日)午後7時半から、お十夜のおつとめをします

 11月18日(日)午後7時半からお十夜のおつとめをします
 十夜法要は、阿弥陀さまの本願を信じ、お念仏の尊さを知り、感謝の気持ちを込めてお念仏をおとなえする法会です。これに加えて秋の収穫をご先祖に感謝する意味もこめられていたのかもしれません。
 ひとりではなかなかお称えしにくいお念仏も、みんなで一緒ならばお称えしやすくなります。共にお念仏を申しましょう。
 おつとめの後、宇治・妙光寺ご住職の牧野靖伴上人による法話を予定しています。
 皆さまお誘いあわせて、お参りください。


年回忌のお知らせ

 平成31年、年回忌に当たっているお宅へ12月初旬に郵送でお知らせします。
 来年の年回忌はここのとおりです。



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