阿弥陀寺だより

令和2年夏季 第66号
  
今こそ考える時
      住職 野口泰宏

 新型コロナウイルスの影響で多くの人々が苦しめられています。かつてお釈迦様はこの世を「一切皆苦」と表されました。
 この苦というものは、新型ウイルスによって突然もたらされたのではなく、何気ない日常に潜み、スキあらば私たちに襲い掛かるのです。
 苦の代表ともいえるものが「生・老・病・死」で四苦と呼ばれます。私たちは、生をつなぎながら死に向かう、その道々で苦に出会います。
 お釈迦様はまずこの四苦を克服することを願って修行を始められました。
 誰しもに平等にやってくるこの苦には原因があります。 それは、「求めても自分の思い通りにならない」ことです。
 「なぜ欲しいものが手に入らないのか」「どうして自分だけがこんな目にあうのか」、自分や自分の所有物にとらわれると、このように考えてしまいがちです。
 私たちは生きる中で言葉と共に多くの知識を得ます。これは実生活では大変役に立ちますが、多くの知識を得て自分の中の常識ができてくると、「〇〇はこういうものだ」、「〇〇はこうすべきだ」といったように、それらに縛られてしまうことがあります。
 ここにこだわりが生まれ、思い通りにならず苦の原因となるのです。
 いろいろなことが中止になり、延期になり、規模が縮小されたりして、多くの人々が我慢しなければならないことは苦しいことです。
 しかし、そんな日々でも花が咲き、鳥はさえずり、季節は変わっていきます。
 梅雨に入り、そして暑い夏がきて実りの秋がきます。
 普段、何気なくおこなっていた当たり前のことが、当たり前に行われるありがたさに、こういう事態になって気付かせていただいたと思うのです。
 「始まりがあれば必ず終わりは来る」
 これもお釈迦様が説かれた教えです。(諸行無常)
 必ず訪れる新型コロナウイルス終息の時まで、皆さん、今(いま)という時を前向きに生かさせていただきましょう。



(新型コロナウイルス感染予防に配慮して)
8月2日(日)午前8時半から、 おせがきのおつとめをします    
 

 
ご先祖先亡のご回向を行うお施餓鬼を、おつとめさせていただきます。
 なお、新型コロナウイルス感染予防のため、マスクの着用のお願いと密集を避けるため、例年と流れを少し変えさせていただきます。
 ご先祖に戦没者が在るお家は、午前8時半までにお参りください。(一般の回向の前に英霊回向があります。)
 また、新たに永代せがきを申し込まれたお家(初盆のお家)は、せがき会の最後(午前10時半すぎ)に一霊ずつご回向させていただきますので、ご親族の方々でお参りください。
 今後、感染の拡大が予測された時には、おつとめを中止する場合がありますことを、ご了承お願いします。

                                                                            

お盆のお参り(棚経)の予定

 お盆の町内の棚経参りは、8月13日(日)の早朝より、お参りさせていただきます。
 お盆は、次の日程でお参りさせていただきます。

・8月9日()…大阪市、守口市、神戸市
・8月10日(
) …初盆のお宅
・8月11日(火)…八幡町、堺市、和泉市、大阪狭山市、泉南市
・8月12日(水)…阪和線より山側の市内、貝塚市、熊取町
・8月13日(木)の早朝より…阿間河滝町
・8月14日(金)…阪和線より浜側の市内
・8月15日(土)午後3時より…精霊送り


 また、お盆の経木(きょうぎ)をご入用の方は8月2日以降に寺まで取りに来てください。一枚300円です。
 年に一度の先立った方の里帰りです。最も暑い時期ですが、家族そろってまごころをこめてお迎えしましょう。
          合掌



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