阿弥陀寺だより

令和4年春季 第71号
  
自分さえ良ければいい?
  
 「自分さえ良ければいい」というやましい心がどこかに潜んではないでしょうか?
 利己主義が蔓延し、相手の立場になって考えてみる事がおろそかになってきています。
 お釈迦さまの法話の中に、「目の不自由な人と提灯」という話があります。
 インドに目の不自由な若者がいました。ある日、若者は久しぶりに友人の家を訪れ、話が盛り上がり、気付くと外は真っ暗になっていました。
 友人は
 「夜道は危ないから」と言って提灯を持たせようとすると、若者は「目の不自由な私に提灯なんか要るはずがない、冗談はやめてくれ」と怒りました。
 すると友人は「あなたは要らないと思うが、相手の人がぶつかってくると危ないから持っていきなさい」そう言われて若者は提灯を持ちながら帰宅したというお話です。
 自分に不要なものでも、相手には必要なものがあります。心に灯す優しさが必要です。
 この心を育てるには、仏様と向き合うことが大切です。 仏壇の前に座り、お燈明、お線香、お水、お花、お供えを施し、布施行をすることにより、自分に向いている欲を外に向けることができるのです。
 そうする事により供養の心、共に優しい施しの心が養われてきます。
 阿弥陀様と向き合い、仏心を養ってまいりましょう。
          合掌


春季彼岸会のおつとめは
 3月21日(祝)午後1時半から


 今年も春の彼岸が近づいてきました。
 今年の彼岸の入りは3月18日(金)です。
 例年のとおり、春季彼岸会の法要をつとめます。
 ご先祖や有縁の方々のご回向をさせていただきます。先立たれたご先祖を偲び、今生かされている感謝の気持ちを、阿弥陀様にささげましょう。
 ご家族、ご近所お誘いあわせて、阿弥陀寺へお参りください。
 なお、新型コロナウイルスの感染状況により、お参りを控えていただくこともあります。ご了承ください。


心に響く仏教の言葉

 お経には、生きていくための智慧が詰まっています。
 いくつか紹介しましょう。

 
真に己を守る賢者は
 その身をつつしみ
 その言葉をつつしみ
 その思いをつつしむ

         『法句経』より

 
自分より勝っているのを見て
 嫉妬しない
 自分が他に勝っているからと いって
 傲慢にならない

       『優婆塞戒経』より

 
愚かな人間は
 私腹を肥やして損をする

       『雑宝蔵経』より

 なかなか耳の痛い教えですね。
             合掌


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